2301 株式会社学情 東証プライム・サービス業

就活市場を支えるプラットフォーム。
自己資本 91% の鋼の財務で、娘の未来に積み重ねる。

最終スコア
78.2
/ 100 点
★ 購入 ◎ 検討 △ 待機
利回り 4.63% は購入ゾーンを上回る
🟡 一部注意・ガチホ継続可
分析日 2026.04.28
著者 パパ (@honotane)
読了 約 15 分

娘が就活する頃、世の中はどう変わっているだろう。

学情を調べようと思ったきっかけは、利回りじゃない。「新卒就活」というニーズが、少子化が進んでも消えないビジネスかどうか、自分の頭で考えてみたかったから。企業が毎年「人を採る」限り、プラットフォームへの需要は続く。自己資本比率 91% という異次元の財務健全性を見たとき、この会社は「まず潰れない」という確信が持てた。

コロナ禍で一度だけ減配した。それは正直に言う。でも翌年、すぐ回復して、そこから 5 年連続増配が続いている。財務の厚みが、判断の根拠だ。

00

会社概要

Company Profile
著者スクリーニングを始めたのは2026年3月。
人に勧められた銘柄じゃなく、自分で考えてリスクも承知した上でポートフォリオを組みたいと思ったから。
これまでの投資計画を振り返ったとき、ゴールと今の状況にギャップがあることに気付いて、少し立て直しが必要だなって感じた。
学情がどうというより、高配当株ポートフォリオを本気で作り始めた、その入口にある銘柄。
何をしている会社か
新卒就活情報サービス「あさがくナビ」と 20 代転職特化サービス「Re就活」を運営する就職・転職情報プラットフォーム。求職者は無料で利用し、採用企業が掲載料を支払うビジネスモデル。

イベント事業(合同企業説明会・転職フェア)も展開し、オンライン求人広告とリアルの採用イベントを組み合わせた収益構造を持つ。
会社の基本情報
証券コード 2301(東証プライム)
業種 サービス業(HR テック)
設立 1990 年
決算期 10 月期(年 1 回)
主力サービス あさがくナビ(新卒)
成長事業 Re就活(20代転職)
2 つの収益柱
🎓 新卒採用領域 「あさがくナビ」による新卒向け就活情報提供。採用企業の掲載料が収益の中心。景気に左右されるが、日本企業の新卒一括採用慣行が続く限り安定したニーズが存在する。
🔄 中途・若手採用領域 「Re就活」は第二新卒・既卒・20代転職に特化した転職ナビ。20代前半の若手採用ニーズは景気問わず高水準。合同説明会・転職フェアとの相乗効果で収益を最大化。
🔍 構造リスク診断 — ガチホ前に確認すべき 4 つの問い
収益の持続性 🟢 採用ニーズは景気変動後も回復。5 年連続増収
競合・代替圧力 🟡 マイナビ・リクナビ・Indeed との競争。差別化は継続必要
FCF・配当安全性 🟢 FCF 14.28 億 > 配当総額 約 10.4 億。自己資本 91%
経営の資本配分 🟡 コロナ禍で一度減配。累進配当ではなく業績連動型
🟢 全グリーン:下落時こそ買い増しの好機。確信を持ってガチホ。 🟡 イエロー混在:保有継続。FCF と配当方針を半期ごとに再確認する。 🔴 レッド出現:減配・FCF マイナスなど。投資テーゼの根拠を一から見直す。
01

スコアサマリー

Score Summary
著者定量 68 点を見たとき、最初はちょっと物足りないかなって。
でも有報を読むと、自己資本比率の高さが目を引いた。
転職市場が活気付いているなかで売上を伸ばしているのは好印象で、「粘り強い会社だな」という印象が積み重なっていった。
ただ景気敏感株であることは、スコアを超えたところでも気になっていた。
定量
68
財務諸表から算出した、数値ベースのスコア。
利回り 75
財務健全性 85
成長性 62
バリュエーション 58
財務健全性は群を抜く。成長性・バリュエーションはミッドレンジ。
定性
85
有価証券報告書を精読し、企業の本質を採点したオリジナルスコア。
事業の質 82
経営の誠実さ 80
配当方針 88
リスク開示 90
少子化・競合・コロナ実績を正直に開示。リスク開示の質は高い。
総合
78.2
定量スコアを 40%・定性スコアを 60% で加重平均した購入判断用の最終スコア。
定量スコア × 0.4 = 27.2
定性スコア × 0.6 = 51.0
合計 78.2
数字で買うのではなく、"数字 × 物語" で買う。定性を 6 割重視するのが、ほのたね。流。
配当ポリシー
業績に連動した増配継続を方針とする
コロナ禍に一度減配したが翌期即回復。
連続増配実績
FY2021 回復後 5 期連続増配
37→45→55→65→70→75円(FY2026予)
5 年増配率
+103%
37 円 → 75 円(FY2021→FY2026予)
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基本データ

Key Metrics
著者このデータを確認して、買おうって決めた。
米イランの緊張でホルムズ海峡の閉鎖が騒がれていた時期で、株式市場は全面安だった。
高配当株は買うタイミングが大事だから、日経先物を見て「ここだ」と思って動いた。
人の不幸をチャンスにしてる感じはあるけど、その感情は敢えて捨てて、淡々と買ったよ。
2025 年 4 月、1,676 円で 10 株。
項目補足
年間配当75 円FY2026/10 期 会社予想
配当利回り4.63 %株価 1,619 円換算
連続増配5 期連続FY2022〜FY2026予(回復後)
自己資本比率91.21 %FY2025/10 期末
PER8.76 倍割安圏・成長期待は低め
売上高110.2 億円FY2025/10 期(実績)
営業利益23.3 億円営業利益率 21.1%
取得単価(平均)1,676 円2025/04 購入
保有株数10 株ジュニア NISA 口座
取得ベース利回り4.47 %75 ÷ 1,676
📈 株価チャート(2301 学情) 出典: Yahoo Finance API / 終値ベース
月足は 2020/01〜2025/04(64 ヶ月)/週足は 2022/06/06〜直近 3 年(149 週)
03

業績の推移

Financial Performance, 5y
著者コロナで人の流れが止まったとき、採用市場はほぼ壊滅状態だったと思う。
そのなかで赤字を出さずに経営できていたのは、素直にすごいと思えた。
減配はしてるけど、現金はちゃんと回してるんだよね。
この粘り強さが、買う決め手のひとつになった。
売上高 5年 CAGR +15.5% 売上高 営業利益
0 30 60 90 120 億円 2021/10 62億 2022/10 75億 2023/10 89億 2024/10 99億 2025/10 110億
📌 5 年間の軌跡:FY2021(コロナ回復期)は売上 62 億・営業利益 4.2 億でスタート。その後 5 年で売上 1.78 倍・営業利益 5.5 倍に成長。特に FY2023 以降は採用ニーズの旺盛な回復で急拡大。利益率は 6.8% → 21.1% へと大幅改善し、スケールメリットが現れ始めている。
売上 5年 CAGR
+15.5%
62億 → 110億(5年)
営業利益率
21.1%
FY2021の 6.8% から大幅改善
自己資本比率
91.2%
無借金経営に近い財務の厚み
04

配当の歴史

Dividend Track Record, 8y
著者枕を高くして寝られるかって言われると、正直そうは思えない部分もある。
ただ調べてみると、リーマンショックのときも東日本大震災のときも減配しなかったことがわかった。
当時の配当水準は低かったけど、それは企業の成長過程でのこと。危機の中でも維持できていたことは高評価だと思う。
コロナで一度下げたのは残念だけど、1 年で回復させた粘り強さは素直に認めたい。
コロナ後の連続増配
5
期継続(FY2022〜FY2026予)
コロナ禍の実績
30 円
FY2020/10 期 一時減配
翌期 37 円に即回復 → 増配継続
5 年増配率
+103%
37円 → 75円(FY2021→FY2026予)
FY2021 以降 5 期連続増配 ✓ 年間配当(円) FY2020 のみ減配(30 円)→ 翌年即回復
0 25 50 75 100 37 FY2019 30円 FY2020 コロナ禍で 一時減配 37円 FY2021 ↑即回復 45円 FY2022 55円 FY2023 65円 FY2024 70円 FY2025 75予 FY2026
年間配当備考
FY2019/1037 円コロナ前の直近水準
FY2020/1030 円⚠ コロナ禍で一時減配
FY2021/1037 円翌期に即回復
FY2022/1045 円業績回復に連動して増配
FY2023/1055 円
FY2024/1065 円
FY2025/1070 円過去最高配当
FY2026/10 75 円会社予想。5 期連続増配継続

※ FY2020 の減配を除き、長期的な増配トレンドを維持。

ここまで 配当・業績データ / ここから 財務の安全性・事業の質
05

配当を支える「お金の流れ」

Free Cash Flow(FCF), 5y
著者自己資本比率 91% を見てちょっと安心した。
HR 系のメディア事業って設備投資がそこまで必要ないから、この数字になりやすいんだと思う。
ただそれを差し引いても、景気後退や利上げ局面でも生き残れる粘り強さは感じた。
FCF の範囲で配当を出してるってことは外部に頼ってないということだから、そこが確認できたのは大きかった。
FCF(フリーキャッシュフロー)とは?
「本業で稼いだお金(営業 CF)」から「設備投資に使ったお金(投資 CF)」を引いた残り。
FCF がプラスの会社は、配当・借金返済・新事業投資を自力で賄える。HR メディア事業は設備投資が少ないため、FCF 率が高くなりやすい。
全 5 期 FCF 黒字 ✓ 本業で稼いだお金(営業 CF) 設備・システムへの投資額 自由に使えるお金(FCF)
0 5 10 15 億円 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025 2.3 4.2 8.1 10.0 14.3
📌 5 年連続 FCF 黒字。設備投資が少ない HR メディア事業の特性が数字に表れている。FY2025 の FCF 14.28 億円は配当総額(約 10.4 億円)を 37% 上回る。自己資本比率 91% と合わせて、「配当を外部資金に頼っていない」を二重に確認できた。
06

事業の強み

Business Strengths
著者あさがくナビも Re就活も、調べるまで知らなかった。
HR 業界について特段の経験はないけど、「社員は家族」という終身雇用の風潮が薄れて、転職市場が活気付いているのは肌で感じてる。
少子化のリスクは避けられないと思うけど、その流れが続く限りこの会社の市場は一定規模を保つんじゃないかなと思ってる。
🎓
あさがくナビ——新卒採用市場の確立されたプレゼンス
新卒就活情報サービスとして約 30 年の運営実績。マイナビ・リクナビに次ぐ第 3 位クラスのブランド認知。採用企業にとって「外せない掲載先」になっている媒体は、価格交渉力が高い。
業歴 30 年以上
🔄
Re就活——20代転職特化という独自ニッチ
「第二新卒・既卒・20代」に絞った転職サービスは競合が少ない。大手転職サイトが全年齢を対象にする中、若手採用に特化することでターゲット外を排除し、求人企業の費用対効果を高めている。
競合少数ニッチ
🏦
自己資本比率 91%——「潰れない」という最大の強み
無借金経営に近い財務構造は、景気悪化・コロナ級のショックが来ても配当を守れる余力を意味する。FY2020 のコロナ禍でも配当 30 円を維持できたのは、この財務基盤があったから。
自己資本比率 91.2%
📈
業績連動型の増配姿勢——5 期連続で実績
コロナ回復後の FY2021 から毎期増配を継続。FCF が配当総額を上回る構造を維持しながら増配しており、「稼ぎながら還元する」サイクルが確立されている。配当性向も健全な水準。
FCF > 配当総額
07

リスク警告

Caveats
著者配当がゼロになったとき、大きな不祥事が起きたとき、TOB で条件が合わないとき。
そのどれかが起きたら手放すと決めてる。
下がること自体は覚悟してるけど、撤退ラインだけはあらかじめ決めておきたかった。
⚠ この銘柄を持つ上で、目をつぶってはいけない 3 点
RISK / 01
(構造)
少子化による新卒採用市場の長期縮小
学生人口の減少は新卒採用市場の量的縮小につながる。採用単価上昇で短期は補えても、10〜20 年スパンでは市場全体が縮む可能性を否定できない。Re就活(20代転職)との二本柱がどこまで補完できるかが鍵。
RISK / 02
(配当)
コロナ禍に減配した実績あり
(累進配当方針ではない)
ディップ(2379)が EPS 19 円でも配当を維持したのに対し、学情は FY2020 に 37→30 円へ減配した。「業績連動型増配」は好況期には強いが、景気後退時に再度減配するリスクが内包されている。
RISK / 03
(競合)
マイナビ・リクナビ・Indeed との
差別化維持が継続課題
大手 2 社とのブランド格差は大きく、採用企業の「まずマイナビ・リクナビに出す」習慣が続く限り、学情は補完的な位置づけに留まる。加えて Indeed 等の総合型プラットフォームのシェア拡大も脅威。
それでも私がガチホする理由
リスクを知った上で、自己資本 91% を信じる。
少子化・減配実績・競合——どれも目をつぶるつもりはない。それでも持ち続けるのは、FCF が配当総額を 37% 上回り、無借金に近い財務でコロナを乗り越えた会社だから。娘が大学を卒業する頃、就活市場がどう変わっていても、この財務の厚みが時間を買ってくれると思ってる。
ここまで 定量・リスク分析 / ここから 有報を読んで初めてわかること
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有報精読で見つけたこと

Annual Report Insights
著者有報を読んで特別な発見があったというよりは、数字の裏付けを探す感じで読んでた。
数字への安心感が先にあったから、有報はその根拠を確認する作業に近かった。
下の 4 点は、そのときに自分の言葉でまとめたもの。
🏦 財務健全性 BS・有報より
自己資本比率 91.21% は「HR メディア業界の異次元水準」
同業他社(マイナビ等は非上場だが、ディップ・エン・ジャパン等)と比較しても、91% という自己資本比率は際立って高い。借金がほぼないため、景気悪化局面でも配当・事業投資の判断を「外圧なし」で下せる。この厚みが FY2020 コロナ禍の減配最小化(37→30 円)につながった。
→ 財務のバッファが分厚いほど、経営判断に時間的余裕が生まれる。「まず潰れない」という安心感が長期ガチホの基盤。
📊 収益構造 セグメント情報より
新卒採用 × 中途採用の二本柱構造が景気耐性を高める
有報のセグメント情報を読むと、新卒採用(あさがくナビ)と中途採用(Re就活・転職フェア)が補完関係にあることがわかる。景気が悪い時は新卒採用を絞る企業が増えるが、既卒・第二新卒の転職ニーズは逆に膨らむ。この逆相関が、収益の振れ幅を抑える仕組みになっている。
→ 「新卒しかやってない会社」より景気耐性が高い。FY2020 のコロナ禍でも完全に収益が止まらなかった理由の一つ。
リスク開示 有報 事業リスクより
少子化リスクと競合リスクを会社自身が明記。隠さない姿勢
有報のリスク欄に「学生人口の減少による新卒採用市場の縮小リスク」と「大手競合他社との競争激化」を自ら記載している。ポジティブな IRに終始せず、ネガティブな要素を正直に開示する会社は、長期投資先として信頼に値する。
→ 定性スコア「リスク開示 90 点」の主な根拠。自社にとって不都合な事実を書ける会社は、娘に20年信じてもらえる可能性が高い。
💹 バリュエーション 業績データより
PER 8.76 倍の意味——「安いのか、それとも成長が見込まれていないのか」
現在の PER 8.76 倍は市場平均の約半分。これは「割安」とも言えるが、「市場が高成長を期待していない」とも読める。HR メディアは景気連動型で、少子化というトレンドも逆風。この低評価を「割安と見るか、適正評価と見るか」で投資判断が分かれる。私は「配当利回り 4.6% を割安として拾う」と判断した。
→ 定量スコアのバリュエーション項目(58 点)が低い理由。数字の見方次第で判断が真逆になる、正直に向き合うべき論点。
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購入判断

Decision
著者長期投資前提だから、買った後の細かいことはあまり気にしないようにしてる。
良いタイミングで良い銘柄が買えた、それで十分。
それよりも、この購入価格と条件が「次の買い増しの基準」になると思ってる。
今回の判断は、ポートフォリオに良い目印を建てられたと思ってる。
項目判断補足
現在の利回り 4.63%(★ 購入ゾーン) 購入基準: 利回り 4% 以上
ゾーン ★ 購入 スコア 78.2 / 75 点超で購入基準クリア
買増優先度 1,600 円割れで追加を検討。20年ルールで判断
ガチホ適格 ✓ 適格(条件付き) FCF > 配当総額、自己資本 91% を維持する限り
再評価トリガー 再減配 or FCF 悪化 半期ごとに決算で FCF 配当性向を確認
取得ベース利回り 4.47% 75 円 ÷ 1,676 円(取得単価)
結論
91% の財務と 5 年の増配が、娘の 20 年の未来を支える土台になる。
本記事は、個人投資家である筆者が、自分の娘のために行っている投資判断の記録です。特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資はご自身の判断と責任で行ってください。本記事中の数値は、執筆時点の有価証券報告書・決算短信・会社予想をもとに作成しており、将来の業績・配当を保証するものではありません。